年収1000万だったサラリーマンさん、失業保険や生活保護を申請せずにガッツで路上生活を送ってしまう

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 3

7月上旬、福岡市内のファストフード店。注文しなくても入れる飲食スペースで、路上生活を始めて間もない男性(51)は客が食べ残したポテトをつまんだ。食べ物を口に入れるのは4日ぶりだった。

もともとはサラリーマン。独身で年収は1千万円台。営業成績が1位になり、海外の本社で表彰されたこともある。3年前、リズムが崩れた。「心がプツッと切れた」。心臓病や糖尿病も患い、出社できなくなって4月に辞めた。  退職金はない。失業手当は会社との手続きが苦痛で申請していない。心身の不調でよく考えることができないまま、コロナ禍で苦しむ知り合いの飲食店主の求めで750万円もの大金を貸してしまった。それが、路上生活の引き金になった。

「雇ってください」。従業員募集の張り紙を見つけると店に飛び込んだ。15軒ほどに断られ、手持ちは600円台になった。やがて体が悲鳴を上げ、心臓に痛みが走る。薬も切れた。「泥沼に沈んでいく感じ。自分で何とかしたいけど」  

自分で何とかする―。いわゆる「エリート」として第一線で働いてきた自負。「最終的には生活保護(公助)という仕組みがある」と、時の宰相が唱えた際に併せて強調した「自助」の大切さ。それが、生活保護という選択から遠ざけた。

政治家や行政にこの感覚は伝わりにくいかもしれないが、生活保護の申請時に行政が家族に援助できないかどうか確認することへの抵抗感は相当に強い。先の年末年始、東京の支援団体が申請を拒む困窮者128人に理由を尋ねると、34%がこれを挙げた。安全網は十分に機能していない。

続きを読む

みんなの声







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加