中国では世界トップレベルでフードデリバリーのサービスが発展しており、毎日多くの人がスマホのアプリを用い料理を注文する。
中国のフードデリバリーで多く用いられているのが「美団」、「餓了么」というアプリケーションシステム。いわば「Uber Eats」の中国版である。
1 「美団」
「美団」は昨年下半期から株式市場での価値を上げ続けており、投資家がこのビジネスシステムを十分に認めているからだということが分かる。さらに「美団」は旅行先でのホテル手配やシェアサイクル事業にも参入し、ビジネスを拡大している。
2 「餓了么」
一方「餓了么」はアリババに買収されたのち、アリババから大量の投資を受け、一時期株式市場での価値は大幅に上がった。しかしこのころアリババは別事業の対処に全力を注いでおり、「餓了么」の事業まで手が回らず、結局2019年12月31日までの時点で各アプリ利用者数「美団」6900万人「餓了么」1100万人という大差をつけられてしまった。
「美団」はフードデリバリービジネスを起点として、他ビジネスに手を伸ばしている。いわばフードデリバリーサービスで取り込んだ顧客を他のサービスに誘導するという仕組みをとっている。
今後の行方は
ビジネス拡大の速さに「美団」に対する投資家の期待は日々高まるばかりだが、やはりフードデリバリー以外では赤字のようだ。
現在店舗から取る契約料はますます高くなっており、さらに現在流行している新型コロナウイルスによる将来への影響は大きい。
アリババに買収された「餓了么」はアリババが何らかの手を打ち救済しない限りフードデリバリー業界での立場は危うくなるだろう。